Rolex GMT Master 1675 1964

Rolex GMT Master 1675 1964

青赤ベゼルの通称ペプシと言われるRolex GMT Master。これも、興味が湧き、購入となると、年代やモデルにバリエーションが多数存在しなかなか欲しい品を決めるのが難しいと思います。

私が選んだ、Rolex GMT Masterは、1960年代のモデルで、アンティークのスポーツRolexらしく適度にエージングが進み程よい風合いになっており、この風合いが大好きなヴィンテージジーンズと相性抜群です。

今回、私が所有するミラーダイヤル期の1964年製を紹介します。

きっかけはヴィンテージの501

40代半ばを過ぎ、それまで好きだった服や時計に興味がなくなり、普段着は、パタゴニアのスポーツウエアを着用し、所有していた機械式時計もすべて処分し、健康管理も出来るApple Watchを腕にするような生活をするようになります。非常に楽でありこの生活スタイルがしばらく続きます。

50代を超え、突如、ヴィンテージのリーバイス501に興味が湧き、色々調べ物色し始めます。元々古着は好きだったので、なんとなくの知識はあったのですが、インターネットの普及で100年以上の歴史があるリーバイスのジーンズを調べると、各年代ごとにそれぞれ仕様があり、好みの年代やモデルが見えてきます。私の好みと、現実的な購入と考え候補に上がるのが、501XX 1950年代のモデルである、通称革パッチ後期と言われるモデルと紙パッチと言われるその後のモデルに絞り込まれます。

1950年代の501XXを選んだのは、作業着として進化したリーバイスの501の最後のオリジナルである事があります。幸い、状態が良く、ジャストフィットの1954年製と1958年製の501XX見つかり購入します。

ジーンズに合わせた時計を物色

こうなると、私の悪い癖で、ジーンズに合わせた時計が欲しくなり、色々なものを物色します。ジーンズなのでベルトは革でなく、金属のブレスレットのスポーツウォッチが候補となります。最初に選んだのが、RolexのDay Date 1803 1969年製になります。ホワイトゴールドのモデルなのでスポーツウォッチよりフォーマルですが、ベルトではなくブレスレットなので、ジーンズとの相性も良く違和感なく使います。

ロレックスは、世界一の時計メーカーで、人気もあり、所有している方も多く、機械式時計の王道中の王道です。私はその王道があまり魅力的に感じませんでした。ロレックスの時計を、新旧含め私が所有し、身につけるものではないのが正直なところで、これまであまり欲しいと思ったことのない時計でした。

アンティークRolexに興味

デイデイトが素晴らしかった事で私の悪い癖が出てしまい、アンティークのRolexに関連するものを調べ始め、これまであまり興味のなかったスポーツロレックスのアンティークに興味が行き始めてしまいます。最初は、エクスプローラー1の1016に興味が湧き1960年代中頃までのミラーダイヤルに興味が出てひたすら、ネットの販売状況を調べ始めます。

ミラーダイヤルはマットダイヤルに比べて、文字盤のエージングが独特です。その劣化の雰囲気が、過去に夢中になったヴィンテージギターの塗装となんとなく被り、アンティークや骨董が好きな自分がするならミラーダイヤルがいいんではないかと考えて行きます。

GMT Masterに興味

エクスプローラー1を物色していると、WEBサイトにGMT Masterが掲載されており、なんとなくカッコ良く見えて来ます。元々GMT Masterの青赤ベゼルはあまり好きではなかったのですが、劣化し退色した青赤ベゼルが、60年代のフェンダーストラトキャスターのレイクプルシッドブルーやキャンディアップルレッドの退色した個体のイメージと被って俄然魅力的に見えて来ます。

そのような経緯もあり、今度はGMT Masterを調べて、1675のミラーダイヤルに興味が出て物色し初めます。

GMT Master 1675 1964年

Rolexに限らず、アンティークやヴィンテージと言われるものは、すべて一点もので同じ状況の個体がありません。そこが魅力的でもあるのですが、好みや予算、個体の状況など、購入に至る条件を満たすものを探すとなかなか見つかりません。

そんな中、引き続き物色をしていると、適度なエージングが進み、私が好む条件を満たしている個体を見つけます。早速お店に足を運び、現物を見せてもらいます。

私が選んだ個体はGMT Master 1675と言われる、1964年製造の個体となります。ミラーダイヤルと言われるラッカーの文字盤と、少し小ぶりなケースやリューズ、自然に退色したベゼルと同時期のオリジナルブレスレットであるスイスブレスレットと、当時のオリジナル状態をしっかり残しています。

50年以上の年月を経て、ずっと使い続けられ、前オーナーが大切にした個体で、自然とエージングが進み傷や劣化も自然な状況で、アンティーク時計の魅力でもある、”年月を経て大切に使われてきた道具”の要素を十分満たしています。

購入理由は老舗の目利きと信頼

初めて伺うお店ですが、店長さんが対応していただき、丁寧な説明と、何本かあるGMTマスター、サブマリーナーやエクスプローラーを見せてくれてそれぞれの魅力を話ながら、実際に手につけての比較を結構時間をかけてしてくれます。その傍で、趣味の話に話が咲きます。

アンティークやヴィンテージと言われるものの購入で私が一番重視するのが、この人このお店から買いたいと思える事で、購入するものも大事ですが、結局人やお店を信頼できるかという事と、知識も大事ですが扱うものに対し敬意や愛着を持ち、扱うものに対して自信を持ってお客に接する事ができるかという事を重視しています。

価値の基準が曖昧な世界こそ人の信頼で買う

新品と異なりメーカーや製造者が価値を担保するものではないので、つけられた価格が正当であることは非常に重要です。この価格は相場のような形で形成されていますが、状態や履歴などで大きく変わってきます。同じ年代の同じ商品であっても、数十年の年月を経て、履歴や状態が大きく異なり価値も変わってきます。

こういう話をお客が納得できる形で、普通に出来るお店は意外となく、結局お店と人のコミュニケーションで成り立ち形成されています。今回伺ったお店の店長さんはこの条件をすべて満たしており、初対面ではありますが、この人このお店から買いたいと考え、見せていただいた1964年製 GMT Masterを即決で購入します。

※購入したお店は記事最後に紹介していますので、是非ご覧下さい。

GMT Master 1675 1964
購入した1964年製GMT Master 1675

この個体が気に入った理由に、ベゼルの退色具合が良く、文字盤も拡大して見るとポツポツと塗装が浮いて来ているのですが、マーカーの塗装が完璧で針の状態も良く、ミラーダイヤルと言われる塗装の光沢や色合いが雰囲気抜群で、手にした際あまりの雰囲気の良さに即決してしまいました。

ムーブメントの状態やリューズの締まり具合も問題なかったのですが、購入後、一月くらい使ってみて、念の為オーバーホールと点検をお願いしていますが、点検もオーバーホールも料金は掛からず、お店も快く対応いただいています。

ディテール

  1. GMT-Master 1675
  2. 年式 1964年
  3. ケース ステンレススチール
  4. ベゼル 青赤2トーン、24時間回転ベゼル ※両方向
  5. ブレスレット ステンレススチール 年代整合したスイスリベットブレス
  6. 風防 プラスチック風防(プレキシグラス)
  7. 文字盤 ラッカー塗装によるミラーダイヤル
  8. 24時間針 スモールタイプ
  9. 自動巻キャリパー 1570

気に入ってる点

  • 退色したベゼルの色合いが、同時代のヴィンテージギターなんかと同様の雰囲気
  • 退色したベゼルの青赤の色合いがヴィンテージジーンズと合う事
  • 通称ペプシと言われる青赤が501の青色とリーバイスの赤タグと共通だった事
  • 古い色落ちしているジーンズ同様ベゼルの青が退色していたこと
  • あまり考えてなかったのですが、24時間針が思いのほか便利だった事
  • 他の世代より24時間針の矢印が小さいのがカッコよく見えた事
  • 文字盤のラッカー塗装の劣化した雰囲気が良かった事
  • 元々、パイロットウォッチが好きだった事
  • 細かな理由は多々ありますが時計を手につけた時の雰囲気が良かった事に尽きます。
  • 見に行ったお店がしっかりしていて、確かなものを扱っていた事
  • お店の店長さんとの会話が楽しく為になり、このお店の商品を買いたいと感じた事

気になる点

  • 現行の時計のカチッとした装着感に比べると、ブレスが緩んでいるので、緩い装着感
  • 防水面も現行のような防水は期待出来ない事
  • リューズが小さく、他のRolexに比べて、巻き上げがし難い事
  • 以上の問題を考えても現行品にはない独特の雰囲気がありあまり気にならない事

などがあります。細かなディテールやムーブメントなど他の理由も色々ありますが、この辺りの情報は詳しく解説されているWEBサイトがありますので割愛します。

ベゼルに色があることで、ジーンズやミリタリーと相性も良くカジュアルなスタイル全般に相性抜群です。厳密なドレスコードを考慮するとスーツの時は別の時計となるのですが、スーツやジャケットとも相性は良く、意外といけてしまいます。

終わりに

今回、GMT Masterを紹介していますが、今後、合わせた服などの記事に登場します。時計の魅力だけでなくトータルコーディネートのアイテムとしてGMT Masterに興味があり購入を検討されている方の参考になれば幸いです。

アンティークコルリオーネ

お店紹介

私の購入したGMT Masterは、原宿にあるアンティークコルリオーネさんにて購入しています。

90年代から、アンティークRolex,Tudorを扱っている老舗で、ものの目利きが素晴らしく、コレクター的な価値のあるものから、ファッションアイテムとして楽しめる、もう少し価格を抑えたものまで、品揃えが充実しています。こちらのお店がいいのは、昨今年式や型だけで値付けをしているようなお店が多々ありますが、状態を見極めて、例え、市場価値が高くても状態が良くないものについては、価格を抑え、良質な価値のあるものも適正な価格で販売しています。

お店の特徴

アンティークコルリオーネさんの扱う時計の特徴に、文字盤や、マーカー、針といった時計の顔とも言える部分へのこだわりと目利きが凄く、綺麗なもの、エイジングが進んで雰囲気のあるものばかりで、扱っている時計どれをとっても手にした際に、非常にカッコよく、見ていると、いろんな商品に目移りしてしまいます。

イメージ的には、ちょっと敷居が高そうなイメージですが、スタッフさんが気さくで、色々な提案をしてくれます。また、雑談を交えて会話を楽しみながら時計をゆっくり見ることが出来ます。商品を見せてもらう際スタッフさんとの会話も面白く、ついつい長話をしてしまいます。

場所柄、ファッション関係のお客さんも多く、お店もオシャレですが、お客さんもおしゃれだったり尖ったかっこいい年配の方が多くおとづれています。

私のGMT Masterと赤サブは、こちらの店長が選んでくれたのですが、店長のセレクトにハズレなしで状態と雰囲気が最高です。また、目利きの見るべきポイントなども会話に出てきますので非常に勉強になります。

趣味人に愛されるお店

余談ですが、ここのお店のお客さんは趣味人も多く、時計だけでなく、車、バイク、ヴィンテージギター、ヴィンテージカメラ、アンティーク家具、古着、サーフィンなどの話が良くされていてスタッフさんからもそんな趣味の話が出て、私も、好きなものの話が多いので、時計の話以上に趣味の話が多くなってしまいますが、そんな楽しみの出来る老舗のショップになります。

 

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1955 Modelはヴィンテージの501で言われている、501XXの紙パッチ期のもので501XXの名前がつく、最後のモデルになります。、センターベルトループずれ、Big-E両面タグ、銅メッキのリベットなどから推測されています。
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